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陽のあたる場所

学生時代、母校が敗れた遠い日の話です。

国立や秩父宮での観戦の前後に、サークルの待ち合わせに利用していた場所がありました。観戦の残り酒を飲みながら敗戦のショックにみんなしょんぼりしていると、そんな様子を見ていたのか、おじさんがビール片手に話しかけてくれました。

学校名が刺繍された揃いのスタジャンを着ていたので「敗れたチームの学生」だとわかったのでしょう。最初はただの酔っぱらいかなと思いましたがラグビーにとても詳しい方でした。

意気投合して試合のシーンをいくつか振り返った会話の後、「(そこの自販機で)ビールでも買って飲みなよ」とおじさんがズボンのポケットから紙幣を差し出したのです。夕陽が差し、影が長く伸びていたのが印象に残っています。

おじさんはあの日の試合を観戦していましたが、両校のOBではありませんでした。新日鉄釜石のファンだと言っていました。

見知らぬラグビーファンの方が、たまたまその場所に居合わせた若者たちにラグビーを通じて得た人生の経験を語り、ビールをご馳走して下さったのです。しかも祝勝のビールではなく、いたわりのそれを。とてもうれしかった。

おじさん、僕たちは今でも毎年あの場所を通り、一緒に観戦しています。またあの陽のあたる場所でお会いできたら、今度はビールをおごらせて下さい。
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